チ。地球の運動について 魚豊 7巻

ダミアン神父、4巻あたりに登場した新人異端審問官の一人?名前を探したけど出てこなかったけど、そうかな。と思ったけど、最初1巻のあたりでノヴァクさんと一緒に仕事をしていた人か。

 

そして、ヨレンタさんだけでなく、ノヴァクさんも生きていた。アントニをうらんでいるかと思っていたが、うまくやったみたいで、娘をそそのかして火刑の原因となった地動説の方を恨みながら酒浸りの毎日を送っていたようだ。

そして、地動説の恨みのために、なぜか本を求めている異端解放戦線のボスを殺すために、もう一度立ち上がる。これだけで悲劇的な最後しか想像できないのだが。

さらに思ってたよりも悲劇的な最後であった。せめてもう一度お互いを認識してからどちらかが死んでしまう話かと思ったが、そして今までの大概の漫画や映画ではそういうストーリーだと思うのだが、この漫画では徹底的に冷酷で人間は物語を成り立たせる一つの駒にすぎなかった。歴史もそういうものかもしれないけど。そしてこの漫画の登場人物自身が、人間とは先人の知恵を次世代に受け継ぐもの、歴史自体が大事と認識しているようである。

 

何かを前提にしないと、論理が立てられない。そこに人間の理性の本質的限界がある。

 

最後の方で6巻の最初の回想シーンにいてた子供はシュミットではなくフライで、しかも裏切り者なことが判明。フライが裏切者なのは何となく予想できたが、まさかこの少年がフライだったとは。見せ方うまい。普通にだまされた。

 

コインで誰を逃がすかを決めるシーン。隊長が運命であったはずの表を裏に変える。これは自然への抵抗?情?またその決定に異議を全くしない部下たちもかっこいい。

次は8巻、もう最終巻か。