チ。地球の運動について 魚豊 4巻

地動説を完成させたときの「不思議ですね、それを知っているのも私たちだけというのは」という、オクジー君やヨレンタさんの言葉。そんなこともうこの時代にはないだろうと思っていたが、どっかの研究者が、研究していて面白いのは、研究が完成すると直前に「この世界のこの事について今知っているのは自分だけかもしれない」と思えるその興奮、って言ってたのを思い出した。

 

そして、4巻のハイライト。ヨレンタさんの父親がノヴァクだったことがわかるシーン。確かに3巻で実家に帰ったヨレンタさんが父親と話すシーンで、不自然に父親の顔が描かれなかったのが少し気になってた。しかし、こことノヴァクを結びつけれなかったな。1巻から、ノヴァクが娘がいるって話はずっとしてたのに。

 

最後のほうはオクジー君の名言多数

自らが間違っている可能性を肯定する姿勢が学術や研究には大切。第三者によるそれが許されないなら、それは信仰である。

それに対するバデーニさんの反論。それを許せば、学者は永久に未完成の海を漂い続ける。で、オクジー君の返し。間違いを永遠の正解と思うこむよりましでは。

最初は学もなく、自分の選択も他者にゆだねるだけだったオクジー君の成長が素晴らしい。

 

しかし、4巻の最後は、オクジーが死んでしまう雰囲気がびんびんに出てしまっている。上の名言すら、フラグにみえる感じ。ちょっと毒舌バデーニさんとのバディ感がよかったのだが。。

 

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