イキガミ 再臨 1巻  間瀬元朗

昔読んだイキガミ

それの続編が出てた。

 

映画にもなったまあまあ有名な作品だが、あらすじ的には、、

物語舞台は日本に似た架空の国。国家繁栄維持法という法律があり、国民は基本的にすべて小学校入学時に、国繁予防接種が義務付けられている。その注射の中には0.1%の確率で約20年後に死んでしまうカプセルが組み込まれており、1000人に1人は20歳前後で死んでしまう可能性がある。その死の恐怖を常に感じることでより生命の価値を再認識させ、国家の平和を維持する。主人公は、死の24時間前に対象者にその死を知らせる通称イキガミの配達員。主人公を狂言回しにして、残された24時間をそれぞれの登場人物がどのように過ごすかを描く連作集。

 

 

前作はそれぞれの短編の話、何となく覚えているものの、最終的に、国繁制度に疑問を持っていた主人公がどのような最終回を迎えたのか覚えていなかった。だから今回の主人公、昔退廃思想者であり再教育の結果イキガミ配達員となった『安岡』が、前作主人公と同一人物かと思ったがどうやら違うようだ。

 

しかし、改めて考えるにえぐい設定。

家族もでき、前作を読んだときよりも読むのがつらかった。

特に悪い人物ではなく、ごく普通の人物、何なら楽しいことばかりではなかった人生を頑張って生きてきた人物がイキガミの対象者になって、24時間後の死を急に突きつけられる。こんな社会、みな鬱になりそうだが、誰もが1000人に1人なんて自分には起こりえないと思って生きていってるんだろうか。

 

改めて、wikipedia読んでみたら、全然気づかなかったが星新一さんの短編「生活維持省」との類似点が指摘されているよう。ボッコちゃんにも収録されているし、漫画化されたときにも採用されていたようである。気づかなかったなあ、ショートショートも漫画も絶対読んだはずなのに。。けどボッコちゃん、読んだのなんて小学生の時、30年ほど前か。

星新一公式サイトで、著作権管理者の娘さんの見解なども書かれていた。小学館からの見解も掲載されており、個人的な感想としては、確かに基本的な設定は似てるなあ、とは思う。ただイキガミの描き方としては、そのディストピア自体よりも、24時間限られた生をどう生きるかが焦点で、設定は似ていても(作者さんは「生活維持省」読んでなかったとのことだし)、描き方としては全然違うものかなあという印象。