チ。地球の運動について 魚豊 1巻

以前から、気になっていた。

マンガ沼でも紹介されていたように思う。

いつの間にか完結して、最終巻も出てたのでまとめ買いしてみた(2022年にはもう出版されてたよう、「ついに完結」と書かれた帯がついてたので最近出たばっかりなのかと思った)。

 

天動説が当たり前に思われていたC教の時代、15世紀に、地動説こそが美しく理にかなっていることを信じた人が、異教徒として弾劾されながらも、どのように自分の考えを信じて生きていたかという話。

 

歴史漫画っぽくみせかけて、漫画の見せ方がすごく面白い。

あるあるではあるのだが、それまで世の中を器用に生きてきた少年が、ふとしたことから地動説に魅せられて、どちらが合理的な生き方であるかをわかりながらも、自分の直感を信じて、不合理な選択をするところ、かっこいい。しかし、この時代にそれを押し通したらだめだろう、どのように打開するのかと思っていたら・・・信念とともに安らかな顔で死んでしまう。「命に代えてでもこの感動を生き残らす」という言葉を残して。

そして1巻の最後の数ページで、舞台は10年後に急に変わり、この少年は主人公ではなかったことがわかる。みるからに主人公感満載であったのに・・・。そして、敵役(というわけでもないけど)何か裏のストーリーがあったっぽい審問官も退場(たぶん)。

正直最初のほうは、絵もそこまでうまくなくて何が絶賛されていたのか、わからなかったが、このあたりが漫画的に面白くてすぐに2巻を手にとってしまった。

 

10年後のシーンに出てきた、フベルトのネックレスをたくされた(?)たまたま手にいれた?人が誰なのか。楽しみである。

JUKE BOX  短編集 設楽清人

申し訳ないが、全然知らない作者だったけど、短編集だし、表紙の絵がきれいだったので買ってみた。

 

収録作は

『ニコニコシーサー』

『杏とロイド』

『ドス♡コイ』

『メガノッコ』

『タケトリオ』

 

それぞれタイトルが絶妙にださい感じではあるが、それぞれ全然違って面白かった。

『ニコニコシーサー』

主人公は落ちこぼれシーサー。人間の目には見えないが、沖縄っぽいところで、それぞれの家の守り神シーサーが、悪霊と戦って魔除けしてる世界。オチがよかった。

『杏とロイド』

タイトル的に、たぶんそうなんだろうな、というストーリー

『ドス♡コイ』

打って変わって学園もの。敵キャラが大豪院邪鬼気質。

『メガノッコ』

これもオチがよかった

『タケトリオ』

これまたオチが。

 

短編だし、そんな意外性もないストーリーだけど、その分安心してよめてわかりやすく面白い。最後にちょっとだけひねったオチが来て、面白い。そして何より絵がきれい。こんなに絵がきれいなのに、あまりうれてないって漫画家さんは本当に大変。

wikiもなかったけど、調べてたら、最近カタギモドシって初週刊連載されてるよう。これ、なんかの雑誌で紹介されてた漫画じゃなかったっけ。読んでみたい。

 

 

イキガミ 再臨 1巻  間瀬元朗

昔読んだイキガミ

それの続編が出てた。

 

映画にもなったまあまあ有名な作品だが、あらすじ的には、、

物語舞台は日本に似た架空の国。国家繁栄維持法という法律があり、国民は基本的にすべて小学校入学時に、国繁予防接種が義務付けられている。その注射の中には0.1%の確率で約20年後に死んでしまうカプセルが組み込まれており、1000人に1人は20歳前後で死んでしまう可能性がある。その死の恐怖を常に感じることでより生命の価値を再認識させ、国家の平和を維持する。主人公は、死の24時間前に対象者にその死を知らせる通称イキガミの配達員。主人公を狂言回しにして、残された24時間をそれぞれの登場人物がどのように過ごすかを描く連作集。

 

 

前作はそれぞれの短編の話、何となく覚えているものの、最終的に、国繁制度に疑問を持っていた主人公がどのような最終回を迎えたのか覚えていなかった。だから今回の主人公、昔退廃思想者であり再教育の結果イキガミ配達員となった『安岡』が、前作主人公と同一人物かと思ったがどうやら違うようだ。

 

しかし、改めて考えるにえぐい設定。

家族もでき、前作を読んだときよりも読むのがつらかった。

特に悪い人物ではなく、ごく普通の人物、何なら楽しいことばかりではなかった人生を頑張って生きてきた人物がイキガミの対象者になって、24時間後の死を急に突きつけられる。こんな社会、みな鬱になりそうだが、誰もが1000人に1人なんて自分には起こりえないと思って生きていってるんだろうか。

 

改めて、wikipedia読んでみたら、全然気づかなかったが星新一さんの短編「生活維持省」との類似点が指摘されているよう。ボッコちゃんにも収録されているし、漫画化されたときにも採用されていたようである。気づかなかったなあ、ショートショートも漫画も絶対読んだはずなのに。。けどボッコちゃん、読んだのなんて小学生の時、30年ほど前か。

星新一公式サイトで、著作権管理者の娘さんの見解なども書かれていた。小学館からの見解も掲載されており、個人的な感想としては、確かに基本的な設定は似てるなあ、とは思う。ただイキガミの描き方としては、そのディストピア自体よりも、24時間限られた生をどう生きるかが焦点で、設定は似ていても(作者さんは「生活維持省」読んでなかったとのことだし)、描き方としては全然違うものかなあという印象。

三宮 おでん

日本酒好きな友人と、ふと思い立って久々に日本酒飲みに。

場所は、梅田か三ノ宮でとの事で、あまり行かない三ノ宮に行く事にした。

あまりおしゃれすぎないところで、そこまで高くないところで探してみて一番最初に目にとまったお店。3日前ほどの予約だったのでたぶん無理かなとダメ元で電話してみると案外空いていた。梅田とかよりも店はあいている印象。

 

変わり種のおでんと、こだわりの一品料理のお店で、メニューに書いていない料理も数品あって、それらは本来であれば「今日のおすすめ」的なものだと思うのだが、店内に掲示はなく、最初におかみさんが口頭で「説明」してくださるシステム。ただ、一つ一つを丁寧に説明してもらえるため、最後の方には忘れてしまう。気になるものは食材だけでも覚えておいて後から聞く必要あり。

日本酒は確かに色々あり、おいしかった。駅からも近い。